■スクロールは嫌われる? |
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スクロールは嫌われる、という実感がデザイナ側にはあるようです。しかし実際のところは、さほど嫌われていない、というのが実状のようです。ただしいくつかの条件が重なると、スクロールがストレスを与えます。
(1)は雑記や日記、但し書き、注意事項などがページ上部に延々と続く場合です。例えば、僕の日記(ワリミス)のアクセス数はサイトのアクセス数の約七分の一程度です。これは「僕の日記が詰まらないから」という可能性を否めないものの、雑記などの需要が低いことを物語っていると思います。まして近況報告などの需要はなおさら低いと予想されます。 また但し書き・注意書きの類は嫌われる、と考えた方が良さそうです。良心的な注意書き、例えば、「このサイトの小説には露骨な性描写が含まれますから、18歳未満の方はご遠慮下さい」とか「グロテスクな描写が目白押しですから、心臓に自信がある方だけお読み下さい」とかは、ユーザーへの配慮として必要だと思います。しかし「このサイトはオリジナルミステリを発表しています。かなりの自信作ばかりで、市販小説に負けぬ出来だと自負しておりますが、いかんせんまだサイトを立ち上げたばかり。まだまだ閑古鳥なサイトです。低レベルなオンライン小説に裏切られ続けている方、独創性も何もない市販小説に飽き飽きしている方、おすすめです! どうぞ……」などと、いきなり思いの丈をページの冒頭でぶつけている方がいますが、これはユーザーにとってはどうでもよい情報ですから不必要です(それに「市販小説に負けぬ出来」かどうかは読者が判断することであって作者が判断する点ではありません。「オリジナルミステリがあります」程度で充分です)。また但し書きの類は言い訳になっていることが多く、「言い訳するくらいなら堂々と公表するな」と思われてしまいますので、不必要な情報になることが多いようです。 (2)はトップページによく見られるもので、リンク表記に工夫がなく、それぞれのリンクに但し書きが付いている場合に生じます。例えば、小説の題名をそのままリンク表記として使っている方がいますが、ちょっとした工夫をしないと、いったいリンク先に何があるのか予想できません。ですから、そうしたリンクが散りばめられていると、ユーザーは行き先を求めて右往左往し、スクロールを繰り返すことになります。また但し書きがいちいち付されていると、文書の中にリンクが埋没してしまいますから、リンク先と認識することが難しくなります。そもそも「スクロールが必要=検索範囲が広い」になりますから、検索を妨げる要素(=わかりにくさ)は相当なストレスに直結します。 (3)はリピータが覚えるストレスです。注意書きなどは一度見れば良いわけですから、再訪のたびにいちいちスクロールさせて、こうした情報を飛ばす必要があります。これは「リニア型リンク方式」(「リンク方式にひと工夫」参照)の小説ページで、次ページへのリンクが最下端にある場合にも生じる可能性があります。話の途中から再読するさい、いちいちページを開いて最下端までスクロールして次ページへ移動、また最下端までスクロールして……と繰り返さなければならないからです。 |
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