コラム「創作モノ事情」
リンクフリーと無断リンク禁止
はじめに&結論
Q1 勝手にリンクするのは著作権侵害?
Q2 勝手に創作物・サイトをダウンロードするのは問題?
Q3 ディープリンク・直リンクはマナー違反?
Q4 アクセス制限の方法は?
Q5 コンテンツに直リンクされてカウンタが回らない
Q6 コンテンツに直リンクされて重くなる
Q7 素材屋の規定「リンク必須」の扱いは?
Q8 どこからアクセスされているか知りたい
Q9 相互リンクのみ受付たい
Q10 報告不要でも報告するのが礼儀?
Q11 相互リンク先はちゃんと見ないと駄目?
おまけ…無断リンク禁止の理由と回答


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■はじめに&結論

 「無断リンク禁止」や「要報告」、「リンクフリー」など、Webサイトではリンクの記述をよく見かけます。しかし、コンテンツとネチケットを考える - 必要事項でも書いた通り、この注意事項は強制力をもちません。実情を考えると、結論は、

・「無断リンク禁止」や「報告必須」などと書くのは自由だが、強制力はない
・ディープリンクも自由、リンク切れはリンクした側の責任
・どうしてもリンクを制限したければ、そのサイトの管理人自身の労力を使って制限すること
・リンクする側は、リンクを紹介する際のコメントに注意
・画像直接リンクなど埋め込み式リンクは、著作権などが許す範囲で
・リンクは法に守られた権利である


 以上を基本とし、随時更新していきます。


Q&A

Q1:勝手にリンクするのは著作権侵害?
A:NO。勝手に他のサイトや雑誌にURLを掲載されたにも書いた通り、URLは場所を示す記号です。また、ネット上に上げた時点(送信可能化された時点)でサイトは公開されたものとされ、参照できる状態になったとみなされます。Webページを自由に参照する権利は著作権法により保護されています。

Q2:勝手に創作物・サイトをダウンロードするのは問題?
A:NO。サイトを見るだけでパソコンにはダウンロードされています。「ダウンロードするな」というのは「サイトを見るな」というのと同じです。また、画像を保存され、プリンタで出力されたとしても著作権侵害などではありません。プリントアウトされた画像を自分のものだと偽れば話は別ですが。
 サイト全体をダウンロードするソフトなどを嫌う方もいらっしゃいますが、それ自体は問題ありません。


Q3:ディープリンク・直リンクはマナー違反?
A:サイトのトップページは玄関ではありません。最初に開かれるページではありますが、ネット上にある時点で条件は他のページも同じです。いわゆるトップページ以外へのリンク、ディープリンクも情報の交流を目的とするインターネットでは推奨されています。
 一方の画像やCGIへの直リンクですが、画像などは他人が著作権を保持している可能性が高いため、できれば確認を取ったほうがいいでしょう。また、自分のサイトの一部と勘違いさせるようなコメントにしないよう、気をつけてください。


Q4:アクセス制限の方法は?
A:こちらのサイトや検索エンジンで検索して調べて見ましょう。
ミケネコ研究所/htaccess リファレンス
水晶宮/海外ファンサイト事情
ネットサーフレスキュー[Web裏技]
 「アクセスさせたくない」というのは当然の権利である「リンクする権利」を止めたいという、管理人のわがままと言えます。なので、決して訪問者や他サイト管理人に考えを押し付けず、自分で対策しましょう。「CGIが使えない」、「アクセス制限はサーバーの規約違反」の問題がある場合も、サーバーを変わるなど、自分で対策してください。「サーバーは変えたくない、でもリンクされたくないからリンクしてきた他人を責める」などということはお門違いです。


Q5:コンテンツに直リンクされてカウンタが回らない
A:対策としては、すべてのページにカウンタをつける、トップページ以外から来た人をトップページに飛ばすようにする(要勉強)、すべてのページにトップページへのリンクをつけるというのがあります。また、トップページが軽くて便利なら、ブックマークなども自然にトップページを入れやすくなるでしょう。

Q6:コンテンツに直リンクされて重くなる
A:リンクを弾きたいなら、ファイルの名を変える、Q4を参考にアクセス制限を行う、直リンクされているのがCGIなら設定を変える(掲示板や日記なら記事表示件数を少なくするなど)、CGI自体をより軽いもの(できるだけHTMLで表示するものなど)に変える、などの対策があります。人気コンテンツなら、できるならよりよいサーバーに変えてみるのが一番でしょう。

Q7:素材屋の規定「リンク必須」の扱いは?
A:リンクに関する規定には強制力がない、と書きましたが、素材屋さんの場合、その名の通り、著作物である素材を配布しています。つまり、リンクするという条件付で著作物を貸している、ということになります。判例などは出ていませんが、著作者は著作物の使用に条件を付加できるので、規定は守ったほうがよいでしょう。

Q8:どこからアクセスされているのか知りたい
A:アクセス解析を使うか、サーバー側にログをもらってください。どこからリンクされているか知りたいために「リンクの際は報告必須」と書いている方もいらっしゃいますが、そう書かずに解析を入れたほうが手間がかかりませんし、リンクされやすくなるでしょう。CGIが使えなくとも、レンタルの解析を導入できます。

Q9:相互リンクのみ受付たい
A:本当に相互のみにしたいのなら、アクセス解析を導入してリンクしているサイトにこちらからもリンクする、という方法をとりましょう。ただ、解析でリンクされたくない、リンクしたくないサイトがあった場合、自分でそのサイトからのアクセスを弾くなどの対策を取りましょう。
 自分のサイトだけで相互リンク制を行っている場合は結構ですが、自分のサイトからリンクしたサイトは絶対こちらにリンクしてくれる、あるいはしなければならない、と思うのは間違いです。「リンクをされたらリンクし返さなければいけない」という義務はまったくありません。

Q10:報告不要でも報告するのが礼儀?
A:そのサイトが大きなサイトである場合、あるいは管理人が忙しい場合、余計な手間をかけさせてしまう場合があります。メールする場合は分かりやすい件名と内容で、返信を求めることはしないようにしましょう。事前報告は返信を求めることになるので事後報告のみにしましょう。

Q11:相互リンク先はちゃんと見ないと駄目?
A:相互リンク先の管理人が、相互リンクしているのだから掲示板に書き込むのが普通だろう、更新もチエックしておくのが普通だろうと考えていることがあります。相互リンクに関する考え方は人それぞれですが、こういったことからのトラブルを避けたければ、注意書きや相互リンクに対する考えを書いておきましょう。ただし、相手方から相互リンクを申し込まれた場合はともかく、申し込んだ側である場合、注意書きを含めたサイトを見てもらえるかどうかわからないことを覚えておきましょう。


おまけ…無断リンク禁止の理由と回答

Q:管理人はサイトの中では絶対です。管理人が無断リンクするなというならしなければいいでしょう。
A:リンクする側のリンクページは当然リンクする管理人が絶対であるサイトのものですが。
 そもそも例えサイト内でも、管理人が規約違反や法律違反を行えば罰せられますし、サイトはネットの上に成り立っているのですから、ネットや社会のルールは適用されます。


Q:無断リンクされたせいで好きなサイトが閉鎖されてしまいました。責任とって下さい。
A:アクセス制限などの手段をとらず、閉鎖の決断をしたのは管理人です。リンクした側にはなんら責任ありません。

Q:例え法律で認められていても、無断リンクはマナー違反です。無断リンクされると嫌な思いをします。
A:あなたが無断リンクを禁止することにより、ネットの原理に基づいて自由にリンクしたい方が嫌な思いをする上にネットが不便になります。言論の自由を制限しようとしている自覚を持ってください。

Q:マニアックなページに直接リンクされたせいで訪問者が嫌な思いをします。
A:ネットにあげた時点で全世界に送信可能化されているということを忘れないで下さい。いわゆる裏ページ、隠しページもリンクされる可能性があります。最初からそれを計算した上で対策するなりアップするなりしてください。

Q:無断リンク禁止にしなければいわれのない疑いで無断リンクされ、荒らしがサイトにきます。
A:相手の文章を誹謗中傷と判断したなら、警告メールを送る、相手のプロバイダに通報する、しかるべきところに通報して告訴に持ち込むなどができます。荒らしもアクセス制限、プロバイダに通報など、同様の対応ができます。
 これは悪いのはコメントや荒らし自体であり、リンクのせいではありませんし、悪意ある方は「無断リンク禁止」といった注意書きを読まないので意味がありません。


Q:ネチケットサイトや企業のページ、時には役所関係のページにも「報告必須」とかありますが?
A:その企業やネチケットのサイト製作者はWebの理念を理解していない、勉強不足でしょう。そのサイトがWeb関係の企業なら、「Webのプロ」とか「インターネットを有効利用し……」といったキャッチコピーを信じないほうが身のためです。
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