宣伝方法いろいろ |
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■宣伝しなければ、お客さんは来てくれない ■効果的な宣伝方法とは?(1) ■集客効果を実験する ■「HONなび」の宣伝効果 ■「楽園」の宣伝効果 ■「net novels news」の宣伝効果 ■効果的な宣伝方法とは?(2) ■それでも「楽園」「HONなび」には集客効果がある!加筆 |
宣伝をしなければ、誰も遊びに来てくれません。これは本当に、もののみごとに来ません。
僕は一月ほど、サイトの宣伝を全くしていない時期がありました。これは身内にも教えないと云う徹底したものです。この頃、ロボット型検索エンジンを誤解していて、登録申請をせずとも勝手に登録されるもの、と思っていました(今は登録申請してもなかなか登録されないと云うことを思い知らされました)。 ウェブリングに登録したものの、更新のたび動作確認をする自分しかカウンタを回さない、という絶望的な状態が続きました。 この状態を打開したのは「HONなび」です。新着のトップに並ぶや一日で60人近いお客さんが来て下さりました。その後は、専らこのポータルサイトで宣伝を行っています。 ところで、小説系サイト運営者の皆さんは、どのような方法で自分のサイトの宣伝をしているのでしょうか? |
ウェブリング・掲示板・ネット小説用ポータルサイト・メールマガジン……小説系サイトを宣伝する方法にはいろいろとありますね。
ネット小説研究室では、このうちポータルサイトとメールマガジンの宣伝効果について実験しました。この結果と経験から、効果的な宣伝方法を考えていきます。 まずは2000年の四月に行った実験結果について報告します。このときはトップページのカウンタをもとに集計しているため、小説ページへのアクセス数を拾っていません。その後、アクセス解析を利用して小説ページへのアクセス数も調査しました。その結果は次に述べます(この結果だけが気になる方はこちらへ)。 |
アクセス実験用にサイトを作り、各宣伝方法の集客効果について実験しました。
このサイトは
このサイトで「HONなび」と「楽園」(旧・小説連合)というポータルサイト、及び、「net novels news」というメールマガジンの集客効果を実験しました。 ただし、小説のジャンルは決して人気ジャンルとは云えない「ミステリ」「ホラー」系ですから、この点を考慮する必要があります。「ファンタジー」「ファンフィクション」など、それだけで集客効果を望めるジャンルであれば、異なった結果が出ると思われます。 こうしたジャンルによる集客効果の違いについては、「ジャンルによる集客効果の違い」で述べます。 |
まず実験したのは「HONなび」です。
登録回数は二回。初回は週末に登録(全登録数31本)、次回は月曜に登録しました(全登録数22本)。初回のカテゴリはホラー、次回のカテゴリは推理です。 初回は日曜日に新着情報に並んだものの、水曜までの集客数は0。 次回は水曜夜に新着に並び、集客数は木曜深夜零時までに27名、翌日金曜に5名でした。(ちなみにその翌日は1名でした。) この結果、次のことがわかります。
以前「3days」という中編ミステリが新着の先頭に並んだところ、日に60名近い集客効果があったことを第一章でお話ししました。この経験と比較すると、次のことがわかります。
実験用サイトのその後の推移を見ると、新着に並んだ日だけ27名を集客したものの、結局、集客数は一日3,4名にまで落ち込みました。つまり
のです。 というわけで、「HONなび」に集客効果を期待する場合、定期的に登録して新着に並べる必要があります。 |
次に「楽園」の宣伝効果について実験しました。
「楽園」の新着に登録されたのは土曜日。カテゴリは「ミステリ・ホラー」でした。 この日の訪問者はおよそ4名で、前日と同じ。翌日の日曜日には、訪問客はなんと1名。この後、一日平均3,4名に落ち着きました(何日かに一度、訪問客1名という日があります)。 これらの結果、
ことが判明しました。 「楽園」は投票システムがあって非常に面白いポータルサイトなのですが、集客効果という点ではあまり期待できないことがはっきりしました。 |
次に、ネット小説の新作情報を送るメールマガジン「net novels news」の宣伝効果を実験しました。
「net novels news」は発行部数1741部、週に一度、ネット小説の新着情報を購読者に伝えるメールマガジンです。水曜に投稿締め切り、金曜発行です。この週末直前というタイミングは、かなりの集客効果を望めそうでした。 ところが、結果から述べれば、集客効果は顕著ではありませんでした。この週末の集客数は一日平均7名で、普段より3,4名の増加に留まりました。1741という発行部数から考えると、意外な結果と云うしかありません。 |
実験の結果、最も効果があると認められたのは、“「HONなび」の新着に(できれば新着トップに)並ぶこと”でした。定期的に新作を発表して「HONなび」に登録を続ければ、それだけで週100名の集客も可能でしょう。(ただし能率が悪いこと甚だしいです。)
結局、ポータルサイト・メールマガジンともに、顕著な集客効果は望めないことが判明しました。宣伝のみに頼っていては、大きな集客は望めないのです。 ここから得られる結論は、“新規のお客さんを逃がさない”という、かなり真っ当なものになります。初めてきた方をリピータにしてしまうような、良質かつ面白いサイトを運営すること、これが最も集客数をアップさせる方法でしょう。 しかし新規のお客さんを得なければ、リピータの数も増やせません。また確率はどうあれ、新規来客数という分母が大きくなればなるほど、その中に生まれるリピータの数も増えるものです。 そこで効果的な宣伝方法を引き続き検証していきます。 |
ネット小説研究室では、五月末にアクセス解析を導入し、再び実験をしました。
上の実験はトップページのカウンタ数に基づいています。しかし「HONなび」や「楽園」は小説ページに直接リンクするため、小説ページからトップページまで移動した人の数しか把握できません。理論上 小説ページのアクセス数 > トップページのアクセス数 という等式が成立するため、上の実験結果はデータとして不正確でした。 そこでアクセス解析を利用し、小説ページへのアクセス数を収拾しました。 サンプルはホラー短編と連載青春小説。前者を「HONなび」「楽園」に登録し、後者に関してはまったく宣伝を行いませんでした。両者ともアクセス解析を00/06/20に開始、00/08/20までの二ヶ月間にわたりデータを収集しました。 その結果、両者のアクセス数の間に顕著な差が見出されました。
アクセス解析の数字の上では「楽園」「HONなび」からのアクセスは合計188に止まっていますが、全体としてはホラー短編の方が8倍のアクセス数を得ています。 このデータから云えば、「楽園」「HONなび」には顕著な集客効果はないものの(二ヶ月で550アクセス=一日約9アクセス)、宣伝をまったくしない状態よりはましだと云うことが明らかになりました。 ただ気になるのは「その他」の数字ですね。この点を検証する必要があります。 |
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