不人気サイトの条件とは?
■不人気サイトの条件とは?(1)
■こういう小説はきっと読まれない(失敗談いろいろ)
■不人気サイトの条件とは?(2)
■こういう小説はきっと読まれない(根本的な問題)
■自分で悪文をチェックする方法(少しだけ)
■こういう小説は読みたくない(個人的に)
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■不人気サイトの条件とは?(1)
 ここでは不人気の小説系サイトの条件を考えてみましょう。

 何せ僕のサイトも閑古鳥サイトですから説得力はありませんが、経験上、学んだことがあります。次の条件を満たしているページは、あまり人が来ないようです。

  1. レイアウトが見づらい
  2. 配色が見づらい
  3. 必要以上にファイルが重い(ダウンロードに時間がかかる)

 これらの条件は小説系サイトに限らず全てのホームページにいえることです。しかしテキスト勝負の小説系サイトだからこそ、なおさら重要なのです。

 僕のサイトは立ち上げ当初、黒の背景色にレモンイエローの字色でした。ありがたいことに僕の周辺には「この配色は見にくい」と指摘してくれる人がいたので、改善することができました。

 確かにミステリ・ホラー系の小説系サイトには黒バックが多いです。これは雰囲気作りのためでしょう。しかし黒バックに赤字や黄字では目が疲れます。

 ほかにも目の疲労を招く配色は多くあります。例えば、白バックに黒字でも目はかなり疲れます。ですから、このサイトでは濃灰色の字を用いています。白バックも、オフホワイトやベージュ、アイボリーにした方が目にぐっと優しくなります。

 ファイルが重いのは大問題です。ダウンロードに数分かかるのはもってのほかです。

 以前、とある長編小説を読もうとしたところ、いつまで経っても肝心の文章が出てきません。グロテスクな壁紙の真ん中に白い空間が開いているので、ここに文章が入ると思われるのですが、なかなか文章が出てこないのです。なんと、ダウンロードの最終段階でテキストが出てきました。

 これは頭に来ます。これでは、文章を読んでも、あら探しばかりしてしまいます。そしてちょっとした誤字を見つけては怒りながら読むのを放棄するでしょう。ですから肝心の文章は真っ先に出るよう作る必要があります。

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■こういう小説はきっと読まれない(失敗談いろいろ)
 「3days」という中編ミステリを「HONなび」に登録したところ、カウンタは飛躍的に回ったものの反響は全くなかったことを先にお話ししました。実際にはどうなのかはわかりませんが、自分なりにその原因を分析しました。
  1. 重いのは読まれない

 僕の小説ファイルは、実はWORD2000で作っていました。全く気付いていなかったのですが、WORDで作ると、普通のファイルのおよそ五倍くらいのサイズになります。これではダウンロードに時間がかかります。重いファイルが人の怒りを買うのは、上に書いたとおりです。

  1. IEにもNNにも対応していなくてはならない

 NNのユーザーはかなりの数に上っています。自分の周りではIEユーザーしかいなかったので、当初、僕のパソコンにはNNがインストールされていませんでした。ところが、少し気になっていたのでNNで動作確認をしたところ、これが異常に見づらい。極小の文字で、かつ、黒バックに真っ黄色の文字色でした。これでは読みません。絶対に読みません。他のページに目を向けることもありません。

 というわけで、どちらのブラウザでも読めるよう気を使う必要があります(実に当たり前のことですが)。小説系サイトというだけで閑古鳥の定番なのですから、よほど気を使わないと人は来てくれないのです。

  1. 長編はそもそも読まれない

 小説系サイトはただの趣味のサイトであって実用的なサイトではないので、来客のほとんどはネットサーフィンの途中に立ち寄った方だと思います。そうした方はファイルを開き、長編だと気付いた瞬間、違うページに目を向けると予想されます。実は僕もそうです。

 理由の第一はネットサーフィンの途中だからです。

 読むのに数時間もかかる作品を、いくらテレホタイム中とはいえ、その場で読むわけがありません。寝不足になるうえ、一ヶ所に留まっていてはネットサーフィンの醍醐味が失われるからです。ですから、長編は適度な大きさに小分けにするか、連載形式にして連載途中から宣伝するか、どちらかにする必要があります。

 理由の第二は試金石としては代償が大きすぎるからです。

 小説系サイトの場合、まず読むに値するのかどうか、作者の実力を見抜かなければなりません。長編ではその試金石として不適切です。長編は読むのに時間がかかります。時間がかかるということは費用もかかるということです。ですから、長編を読み進めた挙げ句、やはり実力なしと判断した場合、それまでにかけた時間と費用という代償があまりに大きくなります。

 そこで、僕はまず数分で読める短編かエッセイをさがします。なければ次のサイトにいきます。大部分の人はそうなのではないでしょうか。

 というわけで、僕は大容量ファイルのまま発表していた小説ファイルを引っ込めました。配色を変更、全体を小分けにしてファイルサイズも五分の一に圧縮しました。これでページを開くのにストレスが減り、かつ、目の疲労も抑えられている、と考えています。

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■不人気サイトの条件とは?(2)
 僕の失敗談を披露しました。僕はものすごく基本的な点をミスしたため、ここで多くの読者を失ってしまったわけです。

 さて、こうした基本的な点のほかにも、アクセス数が伸び悩む条件というのは存在します。

  1. 掲載されているすべての小説が長編で未完結

 この未完結長編が数本あったら、なお危ないですね。読者は終わる見込みのない小説を読みません。せっかく読んでも完結しなければ、読んだだけ損だからです。ですから、未完結長編ばかりが目立つサイトはそれだけで読者を失います。

 それでも定期的に長編が更新されているようであれば、これはかえってリピータの獲得に貢献します。更新の間隔はどうであれ、定期的に更新されていれば、「この作品はきっと完結する」という読者の信頼を得ることができるからです。

 未完結長編ばかりを複数抱え、そのうえ連載は不定期だと、二つ三つ完結短編があったところで読者の信頼は得ることができません。そこで、

  1. 更新が不定期(滞りがち)

 という点も、アクセス数が伸び悩む原因になります。どのタイミングで再訪してよいのかつかみかねるうえ、作品が完結すると信頼できないからです。

 また更新が定期的でも、更新箇所がバラバラでは信頼は得られません。毎週一回の定期的な更新でも、『長編A』→『長編A』→『長編B』→『エッセイ』→『エッセイ』→『エッセイ』→『旅行記』→『長編B』と続けば、『長編A』は一月半も更新が滞っていることになりますから、「この作品は絶対に完結しない」と読者に確信させる結果を招きます。読者が常に不信感を持ってネット小説に対していることは「人気サイトの条件とは?」で述べたとおりです。

 長編の連載を開始した場合、その長編だけを定期的に更新し、一区切り着くまではほかのコンテンツに目を向けない──それだけの覚悟がないと、読者の信頼は得られません。ましてや連載途中で次々に新作の序章を書いているようだと、実に危険ですね(なんて云ってる僕は更新箇所もまちまちなうえ、新作を次々と書く始末。わかってはいるんです。わかっては……(TT))。

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■こういう小説はきっと読まれない(根本的な問題)
 もう少し根本的な条件を考えてみます。次の条件を満たすものは、恐らく読者を獲得できないでしょう。
  1. 文章がとにかく稚拙

 文章が読む耐えないほど稚拙であれば、当然読んでもらえません。ただし、そういう小説系サイトには今のところ出会ったことがありません。たぶん文章が稚拙な人は小説など書かないのでしょう。

 それはともかく、自分の文章が稚拙か否か、という判断は難しいですね。これは本当に難しい。自分ではしっかり書けている、そう思ってしまうのが文章です。とにかく他人に読んでもらって感想をもらうしかないのですが、友人や身内では不適切です。そもそも好意を持って文章に接するからです。というわけで、自分で自分の文章の巧拙を判断するのは、一旦放棄します(僕も自分の文章の稚拙さについては目を瞑っています)。

 それでは、自分で自分の悪文をチェックできるような、何かポイントはあるのか、というと、これがいろいろあります。

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■自分の悪文をチェックする方法(少しだけ)
 まず誤字脱字は徹底チェックします。出版社では、三名以上の人員が三度以上にわたって原稿に校正をかけます。そうして誤字脱字や語句の用例間違いなどを徹底的にチェックするわけです。誤字脱字はそれだけで読み進める気を削ぎますから、ないように気を付けましょう。ですが、出版社のプロによる徹底的な校正を経たにもかかわらず、例えば、京極夏彦の初版本を読むと、だいたい五六ヶ所は校正ミスがあります。それほど、誤字脱字を完全になくすのは至難の業です。とにかく努力はしましょう。(僕も「肚が立つ」を「肝が立つ」と書いていました。指摘して下さった真樹さん。ありがとうございます。)

 次に、60字(400字詰め原稿用紙で一行半)以上の長文は、それだけで悪文の可能性を秘めていますから、これも要チェックです。僕の先生は「素人は一行半以上の文を書くな、長文を書いていいのはベテランになってからだ」と教えて下さいました。ですから、一文の長さが60字以上になっていないか、物理的にチェックするのも効果的です。ただ小説の場合、そうはいかないですよね。

 他には、長い修飾語は避ける、というのがあります。例えば、「昨日ゴミを捨てにいった途中、可愛い子猫を拾い、家に連れて帰ったものの、母親から捨ててきなさいといわれ、近所の公園に向かった僕は、……」なんていう文は言語道断です。「昨日、ゴミを捨てにいく途中、可愛い子猫を拾った。家に連れて帰ると、捨ててきなさいと母親にいわれた。僕は近所の公園に向かった」と分けた方が、よっぽど読みやすいです。

 以上、簡単に悪文チェックを紹介しました。実は、これは高校生の小論文対策で教えることです。他にもいろいろチェックポイントはありますが、とりあえず割愛します。

 あれ? これって、不人気サイトの条件と関係ないですね……。

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■こういう小説は読みたくない(個人的に)
  1. 明らかに読者を意識していない小説

 独りよがりな作品は読みたくないです。表現が実に好き勝手で、こちらに何も伝わってこないような(あるいは、伝えすぎているような)作品はちょっとつらいです。ものすごく凝った作りで、凝った割には内容がない小説も実につらいですね。状況説明がほとんどない小説、あるいは、状況説明ばかりでストーリーがない小説も実に自分勝手で、独りよがりな印象を受けます。学校の先生に質問しに行ったら、質問以外の話を延々と聞かされたとき(あるいは、質問にまともに答えてもらえなかったとき)のような感じです。

  1. 誤字脱字だらけの小説

 解読に時間がかかるうえ、良い感じで作品世界に集中してきた頃に引っかかったりするからです。誤字脱字→稚拙な作品と単純に判断するわけではありません。どちらかというと「誤字脱字がなかったらもっと良かったのに」と思います。

  1. 完結する気がそもそもない小説(結末を考えていない、あるいは、回収する気もない伏線を張りまくる)

 伏線が次々に張られて一向に回収される気配のない小説というのは、読んでいて恐ろしくなります。「あれ? これ、絶対に終わらないでしょ」という感じで。あるいは「わははは。こんな伏線、絶対に回収できないって」と楽しんでいる場合もあります。

  1. オリジナリティをほとんど感じられない小説

 意外にありますね。結末を読み終わっても「それで?」という感想しか持てない小説。二時間ドラマのサスペンスを見ているような、ありきたりなキャラにありきたりな展開、そしてありきたりな結末。ある意味、期待を裏切っていないわけですが、読んでがっかりします。深夜にテレビでVシネマを見たときのような後悔を覚えます。

  1. 結末に無理がある小説

 ミステリに多いです。謎解き部分を読んで「そりゃ無理でしょ」と突っ込みたくなるような小説。あるいは、「これ、無理矢理終わらせたな」とわかる小説もつらいですね。作者の苦労が偲ばれて……もう気の毒です。苦情を言う気もしなくなります。「大変だったんだなあ」と一言だけ。

  1. リアリティのない小説

 これはミステリとか現代小説のときですね。例えば、犯罪の捜査でいきなり警視庁の捜査一課が出てきたり、自白だけで逮捕したり、物的証拠もなしに犯人を確定したり……挙げるとキリがありません。明らかに調査を怠っているのも、読んでいて失笑してしまいます(特に科学的捜査を利用したミステリで。こういうのは想像だけで書いて欲しくないです)。といっても、そもそも高校生の探偵が警察の犯罪捜査に参加したりと行った無理は、プロ作家でもしていることなので、あまり口うるさいことは云えません。

 と、こんな愚痴をこぼしていると延々と続きそうなので、ここでお終いにします。

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